シルバー天使の応援歌 ⑫ 東京医大入試不正


東京医科大学(東京)が医学部医学科の一般入試で女子受験生の合格者数を抑制していた問題で、大学による内部調査が進められていたが、詳細が判明した。受験生に知らされないまま、女子及び3浪以上の受験生に対して減点などで合格者数を抑える操作をすると共に、5~15人前後の特定の受験生には加点して有利な成績を与えていた。一連の得点操作は、臼井正彦前理事長の指示で行われていたが、臼井前理事長は文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件の贈賄罪で東京地検特捜部に起訴されている。

 女医の西川史子さん

「東京医大女子合格者抑制問題」に関して賛否両論ある中で、女医でタレントの西川史子さんが、「当たり前です」と医療現場からのエールを大学に送った。西川さんは「受験成績の上から順に合格させていったら、女子の方が優秀なので女性ばかりになってしまう。男女の適性から、その比率は考慮しなければならない現状がある」と述べている。

 日本医師会の横倉義武会長

この問題の報道を受け、日本医師会は横倉義武会長名義で見解を発表した。「これが事実であるとすれば、入試の段階で男女差別が行われていたことになり、受験生に対する公平性、平等性を欠く行為といえ、日本医師会としては大変遺憾に思います」と批判した。そして、女性医師の場合は出産や子育てなどによって、離職や休職をせざるを得ない状況があるとした上で「今回のように入試の段階で性別のみを理由に調整をするようなことは、平等性の観点からも許されることではありません」とした。社会システムの整備が重要と述べると共に「東京医科大学による真相の究明はもちろんのこと、所轄官庁である文部科学省に対しても徹底した調査と厳格な対応を求めたい」と結んだ。

 

厚生労働省の2016年統計によると、病院医師の男女比率は男性77.8%、女性22.2%となっている。その中で外科は男性93.2%、女性は6.8%、脳神経外科は男性94.0%、女性は6.0%、眼科は男性58.5%、女性は41.5%、皮膚科は男性45.7%、女性は54.3%となっている。医療現場では実際に偏りがみられる。

 

「東京医大女子合格者抑制問題」は遂に膿が吹き出したと言ってもいいかも知れない。一医大の出来事では片付けられない大きな要因をはらんでいるからである。日本の医療は圧倒的多数の男性ばかりの環境で発展してきたため、人材や労働の理解の過程で大きく男性中心に偏ってしまった。医師の過重労働が変わらないのは男性医師が、一般の勤労者も同じであるが、家事育児などの家庭責任を担わずに勤められた社会環境があったからだと言える。医師同士の結婚においても、キャリアを捨てるなり中断するのはほとんどの場合女性医師であった。しかし、女性医師は一度医療現場を離れるとその後の働く環境はほとんど整っていないのが現状である。ここから逆の発想が生まれ、女性の働きに対しての信頼感欠如となり、女性不要論に近づく風潮をつちかうことになってしまった。封建時代の精神作用を引きずったままの社会構造が残る中では、女性に家庭作業が押しつけられる風潮はやむを得ないことだったのかも知れない。明治、大正、昭和、平成と150年以上の年月を経て、やっと夜明けが来たとも言える。

 

先進国の中ではいつも、日本女性の地位の低さを指摘されてばかりいるが、全くの事実であり現在においても、「家事が何にも出来ない夫を抱えた奥さん」このような夫婦は「あたりまえ」の「普通」の人達として存在している。女性医師も当然のごとく、日本人であることの中で生きていかなくてはならない。その過重な環境を改善せずして、女性医師のみを論じても意味のない議論でしかない。男性が生まれ変わるくらいの気持ちで家族のあり方を考え、理解し、夫婦の完全平等を全身で体現しなければ奥さんがかわいそう過ぎます。掃除機の持ち方から始めて、家を綺麗にする方法を学び、家族の食事を整え、食器洗いを率先してやり、子供の面倒を見、洗濯機を操り、洗濯物を干す、こんな処から始めなければ「東京医大の女子合格者抑制問題」は理解できませんよ。

 

 

   

 女性医師のみなさん、社会はあなたの力を必要としています。「日本の医療界は男性中心」だろうが「診療報酬は政府がコントロールして・・・」だろうが「病院現場は劣悪な環境」だろうが、そんなことはかまうもんか。このイラストを見て下さい。自分の都合のいいように注文をつけて、働けますよ。医師会も、民間の人材募集会社もあなたが働いてくれるのを待っていますよ。出産も子育ても当たり前の人生に組み入れて、思う存分働かなければ、辛い受験を耐えて難関の大学、国家試験を勝ち抜いてきたあなたの努力は無駄になってしまうじゃないですか。「午前中だけ働いてあげるわ」大変結構。「夕方1時間だけ」これも結構。「託児施設はあるかしら、無ければ駄目ね」こちらの都合をぶつけてみましょう。人材会社は必死になってあなたの気に入る働き口を見つけてくれます。「大学の医局がどうだとか、横の繋がりがうんぬん」これは止めましょう。「給料は高額ですか」これは真剣に求めましょう。大いに自分中心で働こうではありませんか。自らが先頭に立って歩み始める以外解決策はありません。誰かがやってくれるのを待っているばかりでは、いつになるのか絶望的です。待ち焦がれた時がやっと到来したのです。

医学部を目指す女子中高生のみなさん、不利な条件を耐えて頑張ってくれた諸先輩の苦しみが、いま実を結び始めています。あなた方の受験の時は、いままで横行していた「女子不利」の裏操作は一掃されているでしょう。何の心配も無く受験できます。その先のことになりますが、出産の心配も、育児の心配も大丈夫です。思いっきりぶつかって「人々のために役に立つ医者」を目指して下さい。

 

 

 

 

 

 

             

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