煙草のない世界 ④ 禁煙教育のすすめ~幼児


「タバコ中毒患者を作らないの第2段階は幼児教育だ

赤ちゃん時代に緩(おだ)やかな嫌煙児となって育ってきた幼子(おさなご)達は、保育園、幼稚園に通う年齢になると今まで見た事のない、いろいろな光景を目にすることになります。タバコを吸う大人を見たり、タバコを売っている店を見たり、スーパーやコンビニでタバコを買っている人を見たり、赤ちゃん時代とは桁(けた)違いのタバコ情報に触れるようになります。赤ちゃん時代には「意味不明の呪文」のように身につけてきた「嫌煙」の素養は、この時期になると現実の生活の中で理解しなければならない事象として、捕(と)らえるようになります。

 

 

       

保育園や小学校では殆どの園や学校で禁煙教育を行っています。先生が画像や絵本などを使って、児童達に優しく語りかけます。児童達は、幼児時代とはひと味違うタバコのお話に真剣に聞き入ります。タバコは怖い物で、病気の源(みなもと)になることを具体的な知識として身につけていきます。この頃になると、この児童の家族の中には喫煙者の居場所は無くなってしまいます。無煙社会では「過渡的人間」として僅(わず)かに生存が許されている「薬物中毒患者で絶滅期待種」の人も、家族と共に暮らすことが許されない状況になってしまいます。社会から疎(うと)まれ、奥さんに「受動喫煙の被害」を訴えられ、子供の「真っ直ぐな正論」に非難され、悲しみに沈むお父さんです。

 

こうなってしまうと、さすがの強固なタバコ中毒であったお父さんも、家族関係を真剣に考えざるを得ません。自分の喫煙が「どれ程社会に迷惑をかけていたか」、「家族に不健康な煙を浴びせ続けていたか」、「妻も子供もどれ程いやな思いをしていたか」真剣に考え始めます。本当は考えるまでもなく答えは出ているのです、タバコを止(や)めるのみです。ここに至ってお父さんの決意がやっと本物になってきます。実はお父さんも、ずいぶん前から「止(や)めなければ」とは思っていたのですが、薬物中毒の悲しさで、それができなかったのです。「さあ、これで止(や)められる」、そんな希望も湧いてきました。お医者様の力(ちから)を借りてもいい、家族の応援も頼もう、自分も耐える、こうしてこのファミリーも全員が非喫煙者になることができました。

 

タバコ中毒のお父さんが立ち直っていく姿を間近に観ている児童は、すっかりお父さんの味方になっていきます。お父さんの苦しみを共有しようとします。真剣な気持ちで応援してくれます。「頑張れ、頑張れお父さん、お母さんも一緒にみんなで応援しているよ」。この時点で、この児童が喫煙者になる危険性は完全に遠ざかってしまいました。無煙社会実現のための幼児教育は卒業を迎えるのです。これからの課題は、この児童が中学生、高校生となった時に、少数ながら魔の手が忍び寄ることがあるのですが、これを無事に通過させることです。殆どの中学生、高校生には関係しない事ですが、現実問題として、この時期に喫煙の魔界に落ち込んでしまう少年少女が存在することも事実です。赤ちゃんの時に「待て」を教わらずに幼児となり、その後もタバコ害に関する躾(しつけ)を全く受けずに育ってしまった少年少女達。この子達は「落ちこぼれ」として徒党を組み、不良グループとしてタバコを吸うようになってしまいます。残念ですが。この生徒達は、まだ「傷の浅い喫煙者」として別カリキュラムで治療教育が必要となります。

 

 

 

 

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