煙草のない世界 ⑤ 禁煙教育のすすめ~中・高生


「タバコ中毒患者を作らない」の第3段階は中高生教育だ。

赤ちゃん時代から幼児時代を経て充分な嫌煙教育を受けてきた筈の中学・高校生なのに、タバコを吸うようになってしまった可哀想な子供達が存在します。事情はあるのでしょうが、こんな子供達といえども放置しておく訳にはいきません。本人達の為だけではなく、周りに迷惑を撒き散らすからです。彼らは大抵の場合、低い知識水準とモラルで暮らしているために、ある部分では鼻つまみ者になっている場合があります。この子供達をタバコ中毒から救い出さなければなりませんが、知識水準やモラルの低さは禁煙問題とは切り離して対応すべき別次元の問題として捕らえるべきです。同時に解決しようとすると、泥沼に足をとられることになります。とりあえず今は、この子供達をタバコ中毒から救い出すことを考えます。

 

対象とする中高生は、まだ喫煙歴が数年以下で傷の浅い中毒患者です。早い時期に救い出せば割と簡単に脱タバコができます。簡単とは言っても完全に治癒するのには、最低1年が必要です(大人の場合は2年以上)。クラス編成時に希望者を募り、禁煙クラスとして1年間を共に過ごすようにします。このクラスを希望するように誘導するのは、親や教師といった大人の役目です。無理矢理という考えもありますが、タバコ病以外の問題でも混乱が発生しやすい育ち方をした生徒達ですので、やはり自発的に脱タバコ病(=中毒患者)を目指して参加するべきなのです。

 

突飛な考えですが、一人一人がバラバラでは絶対に成功しません。確実に大人になるまで吸い続けます。                                                                           同じ苦しみを共有しながら、相互に励まし合う環境が早期のタバコ脱却を促す条件とも言えます。このクラスは特殊とはいえどもカリキュラムは一般クラスと同じです。唯、「クラス全体を温かく見守る大人の愛情と知性が他のクラスより強く働いている」点が異なるだけなのです。この子達はあくまでも被害者であり、タバコ病の病人なのです。大人の責任で直してあげるべきなのです。このクラス編成は前例のない目的で作られるのですが、「無煙社会」実現のためには必要な教育手段と観るべきでしょう。

 

このクラスの最初の仕事は、タバコと喫煙具およびタバコに関わる物全てを廃棄することです。さあ全員で捨ててしまいましょう。 次はニコチンが体から抜けるまでの戦いです。最初の決意から30分もしない内に、ニコチンのお誘いが始まります。今は数学の授業中ですが、頭の中はニコチンに占領されてしまって、授業どころではないでしょうね。「あ~タバコが吸いたい、タバコ~、タバコ~」クラスの全員がタバコ欲しさに爆発寸前の目つきを示す。そこで先生が休憩の号令を発する。各自持参してきた飲み物とおやつを取り出す。深呼吸してから喉を潤(うるお)す者、おやつを食べる者、それぞれの思いをもって味わうことでしょう。休み時間までなんとか我慢しました。また飲み物とおやつです。先生から励ましのお話があります。その内に、どうしても我慢が辛いのは、約30秒の間だけで、そんなに長い時間ではないことに気が付く。「このピークを乗り越えていけ  ば何とかなるかな」と思えるようになる。

 

それでも、「タバコ~」が無くなる訳ではない。やっぱり襲ってくる。そしてグッと我慢の30秒が過ぎ去るのを耐える。こんな繰り返しを頑張って1日が終わる。2日目は、昨日より楽ではないが、少し様子が分かったので頑張れそうだ。そして3日目もすぎて4日目の朝、「おやっ? 昨日程、タバコ~欲しさが強くない」と感じる。この感覚が第1段階の卒業だ。体中のニコチンが抜け始めたのです。そして1週間が経つとニコチンは殆ど抜けてしまって、強烈な「タバコ~」ではなくなっていることを感じる。3日間をよくぞ耐え抜きました。体はニコチン無しには割と早く順応できます。しかし、これからの強敵は自分の頭です。

 

 

 

頭の中ではニコチンの残存作用で、まだニコチンを欲するような誘惑が襲ってきますが、これはあくまでも誘惑だけです。無視しても何の害もおこりません。しつこい相手ですが、2ヶ月程で急激に弱まっていきます。その後は色々な形でタバコの誘惑に出会いますが、無視し続けることが肝要です。このようにして1年程経てば、完全にタバコから脱却しています。このようにしてタバコ病が治癒してしまえば、「自分は少しだけ高級な人間になれた」という意識が芽生えるのではないでしょうか。

 

 

この中学生・高校生向けの脱タバコ作戦は、学校の事情によっては夏休み等の長期休暇に行うことも有用な策だと思います。その際、医師の処方による「バレニクリン」という飲み薬(保険適用)が有効性が高いとされており、使用するのも確実性を増すためには良い手段かも知れません。この薬は1週間喫煙しながら服用すると満足感の低下(タバコを吸っても、あまりおいしいと感じなくなる)を招いて、人によっては早期に禁煙ができてしまう事もあります。あらゆる手段で「脱タバコ」をさせてあげなければ。

 

子供のタバコ中毒は大人の責任です。中毒の子供達を救って下さい。  

 

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