煙草のない世界 ⑦  タバコ禁止法案国会へ


タバコを吸う人が無くならないのは何故(なぜ)なんだろうか。思春期の頃に誘い込まれやすい情緒状態になるから吸ってしまった、多くの若者にとっては一度は手にしてみたい誘惑に駆られる魔物だから吸ってしまった、そんな理由かな。その後は中毒患者として、タバコに支配された脳に従って生きていく道をたどる。「中毒患者だから仕方が無い」「タバコを売る店があるから」「法律で禁じられている訳ではない」「政府が推奨して税金までとっているではありませんか」・・世界中から言い訳を探して、何とか非難をかわそうとするが、やっぱりどうにもならない。自分自身でもタバコが社会悪である事を納得してしまっているので、言い訳をしながら自己矛盾に打ちのめされる。「あ~この世にタバコさえ無ければ」、「せめてタバコを売る店が無ければ」「タバコに苛(さいな)まれた肉体と精神で生きている自分が惨めだ」、何とか抜け出したいとの思いは弱々しいながらも有る。だが、脳の指令で又吸ってしまう。何年か先には病気になることは分かっているのだが、明日・明後日は大丈夫だろう、ずっと先の話だ、そう言い聞かせて中毒状態の脳に従ってしまう。

 

20**年11月3日、今日はタバコ禁止法案の国会上程日だ。全国各地で数百万人の一斉デモが行われる事になっている。タバコが有害薬物として、使用も販売も全て違法となる、そんなすばらしい法案が国会で審議されることになったのだ。このデモは反対デモではない。大変めずらしい賛成デモで、ややお祭り気分で盛り上がっている。全国のマスコミも揃って好意的に報じている。テレビでは連日のように町の声を報じており、日本にもやっと無煙の時代が近づいたことを感じさせている。子供達よ、大変長らくお待たせしました。君達はもうタバコの魔の手に犯される心配は無くなるのだよ。病気になる大きな種は近々無くなりますよ。臭(くさ)い煙に悩まされることも無くなります。・・・・・まだ入り口に立とうとしているだけなのに、気が早すぎるかな。

 

 

    

                                               20年後位から徐々に人口が増え始めるでしょう。ガンによる死亡が急速に減少するばかりでなく、循環器系の病死も大幅な減少をみるようになる。その他あらゆる病気の根底に潜んでいた「煙草薬毒」が無くなるために、命に関わるような重大な病気が嘘のように無くなっていく。その結果として医療費が大幅に減少していくことになる。若者が増えてくる。出生率も上がってくる。労働問題も霧散していく。この頃になると国民の多くが自覚できるようになる「タバコが国を傷みつけていたのだ」と。タバコの表層的な害しか論じてこなかった今までの自分たちは何と愚かだったのか、国民の多くがそう思うでしょう。麻薬(アヘン)による国家疲弊の歴史を強く自覚するようになった国もある。また覚醒剤と呼ばれる一連の麻薬の商取引のために、暴力的集団が武器を持って跋扈(ばっこ)するようになり、治安が破壊されてしまった国もある。人類は知性と理性を脅(おびや)かす麻薬類との付き合いは長い歴史を持っているが、今日(こんにち)まで何とか滅亡を招くまでには至っていない。これは喜ぶべき事と言っていいだろう。話がそれているようだが、実はタバコも同じ、人間の脳に入り込んで思考を操作する薬物なのだ。この点では麻薬とは親類関係の間柄といえる。21世紀は人類が薬物脱却の夢を実現できる、明るい世紀になれるかも知れない。そんな夢想に陥(おちい)って眠ってしまった。

                  タバコは体をボロボロにする。ガンをはじめ、あらゆる病気を招く。

 

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